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2005年11月28日

新型冷蔵庫の省エネ度

新型冷蔵庫の省エネ度冷蔵庫の調子が悪い。音が大きい。冷え方も甘いようだ。家内からは、壊れてからでは遅いので、新しい冷蔵庫を買ったらどうかとの提案がある。差し出された新聞の折り込みチラシには、415L型で「年間電気代約3,800円、普及型より10年間で約5万4千円オトク」と書いてある。省エネと言われるとググッとくる。

ほとんど反論の余地もなく、家族そろってヤ○ダ電気に出かけた。お兄さんとの交渉の結果、日立のR-SF42TPAM(416L)の購入を決定した。配達は2日後の午後とのこと。

カタログでメーカーがうたっている「04年省エネ基準達成率261%、160kWh/年」の実力は本当か、電気代は安くなるのか、検証する時間は残されている。

新型冷蔵庫の省エネ度最初に、廃棄の運命にあるシャープの冷蔵庫(SJ-32VG、320L)の消費電力を測定する。しかし、冷蔵庫の電力測定はけっこう難しい。温度制御のために消費電力はかなり変動する。正確な測定のためには、短時間、たとえば10分毎に電流を測定することが必要だが、そんな面倒くさいことはできない。おおよそのところが分かれば十分ということで、クランプ・メーターをセットし、家内に1、2時間ごと適当なタイミングで測定してくれと頼んで、仕事に出かけた。2日間で14回測定した結果、旧型冷蔵庫の消費電力は平均で61.6kwh/月、739.2kwh/年であることが判明した。25円/kwhで換算すると、1カ月の電気代は1,541円となる。

2日間の測定が完了したところで、新しい冷蔵庫が配達されてきた。続いて、日立の新型冷蔵庫の消費電力測定に入る。3日間で23回の測定を実施し、消費電力の平均値は42.8kwh/月、513.6kwh/年と計測された。1カ月の電気代は1,070円となる。かなりアバウトな測定ではあるが、この結果から判明したことは、新型冷蔵庫は旧型との比較で、月間△471円、年間△5,652円の省エネである。10年間では約5万6千円の節約となり、折り込みチラシに書かれている「オトク」金額とほぼ一致する。

なるほど、「この10年間のインバータ技術の活用と真空断熱材の威力はたいしたものだ」とうなずいていたが、妙なことに気がついた。カタログデータは160kWh/年となっているが実測値は513.6kwh/年、カタログデータの3.2倍である。

計測方法が間違っていたのか。確認のために、旧型冷蔵庫のカタログデータを調べると32kwh/月である。年間では384kwh/年となり、やはりこちらも実測値が1.9倍となっている。なぜ、こんなにまでも違うのか。Googleで検索すると、この事象にかんする記述が多数ヒットした。

新型冷蔵庫の省エネ度以下は、「京都省エネラベル協議会」のHPから引用である。
『財団法人日本消費者協会による400Lクラス大型冷蔵庫の商品テスト結果により、メーカーカタログに掲載されている電気代と実際の電気代との間には、製品によって約2倍~4倍の開きがあることが判明しました(『月刊消費者』2004年7月号記事を元に電気代1kWh=22円として計算)。』

記述内容は、筆者の計測結果とほぼ一致している。結論は、新型冷蔵庫への買い換えは、確かに省エネ効果があるが、カタログデータを鵜呑みにしてはいけない。メーカーは消費者の購買意欲をかき立てるために、かなり恣意的なデータを表示しているということであった。


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