2005年10月30日
マゴナ式翻訳精度測定法
前回コラム「Lion Huntを探せ」で、翻訳ソフトの訳文を理解するのは難しいと書いたが、翻訳ソフトにもいろいろある。何の根拠もなく、翻訳ソフト全般を否定するのはいかがなものかと思い直した。そこで、「マゴナ式翻訳精度測定法」を用いて、ネット上で公開されている翻訳ソフトの実力を測定してみた。
「マゴナ式翻訳精度測定法」とは、翻訳ソフトの総合力を客観的かつ簡単に計測する本邦初の手法である。一般に、英語力の低い者が翻訳ソフトを選ぶ場合、適当な英文を日文に訳して、訳文を理解できるかどうかで、そのソフトの実力を測定する。
しかし、翻訳ソフトを使わなければならない貧弱な語学力では、翻訳元の英文を正しく理解するのは困難なはずだ。ならば、翻訳文が原文を正しく表しているかを評価するのも困難なはずである。当然、いろいろな文章を数多く翻訳すれば、翻訳ソフトの実力はかなり正確に把握することは可能であろう。しかし、それでは時間がかかりすぎる。
語学力の低い者が、「翻訳ソフトの実力を短時間に、自分自身で正確に評価したい」という願望を実現したのが「マゴナ式翻訳精度測定法」である。
「ごたくを並べず、とっとと公開しろ」
ごもっともな意見である。早速、その方法を公開しよう。測定は簡単である。
まず、適当な「日本文」を翻訳ソフトを使って「英文」に翻訳する。
次は、翻訳された「英文」を同じ翻訳ソフトを使って「日本文」に変換し直す。
後は、元の「日本語」と変換を繰り返した「日本文」とを比較することで、翻訳ソフトの総合力を測定する。
この手法を用いれば、日→英、英→日の翻訳エンジンの実力を総合的に評価できる。しかも、あらゆる言語に適用可能であり、極めて汎用性の高い「測定法」といえる。
では、早速、実験だ。
インターネット上に公開されている翻訳サービス一覧から、①日本語の変換サービスがあり、②無料、③text変換が可能、④直ぐ試せる状況にあるサイトを選択し、「自宅サーバー作業で難渋【閑話休題】NATアドレス変換」の文章を翻訳してみた。
翻訳作業を繰り返し、記録を取ること1時間。その後、5分間の厳正な検討の結果、各翻訳サービスの実力は以下の通り、○△×の三段階評価で客観的に判定された。最優秀翻訳サイトは「Excite検索」、次点が「Yahoo! Japan」である。ちなみに、○評価は、他の機械サービスと比べて翻訳精度が高いことを示しており、必ずしも翻訳文が完全であることを意味していない。
【評価○】 Excite検索 Yahoo! Japan
【評価△】 ( @nifty 英語ナビ So-net livedoor ) Dictionary.com Infoseek
【評価×】 AltaVistaitranslator VIL Net Worldlingo 地球の歩き方
【閑話休題】
客観的な測定法と言いながら、「完全に筆者の主観で評価しているのではないか」との批判が聞こえてくる。しかし、よく考えていただきたい。翻訳元の文章は「筆者」自身の文章である。この文章の趣旨を一番良く理解しているのは筆者自身である。ならば、原文と変換後の文章の違いを正しく評価できるのも、これまた筆者自身である。言い換えれば、筆者自身の主観こそが一番「客観的」な指標である。ここまで書いて、改めて「マゴナ式翻訳精度測定法」の完全性を確信した次第である。