2010年06月06日 00:00
我が家の財務大臣からは「どうせ読まないなら、捨てるか、BOOK OFFに売却したら」との強い要請があるが、残念ながら、子供の頃から「本はどんどん読みなさい」という教育を受けてきた筆者は、一度購入した本を手放すことができない。結果、本棚には30数年に亘って収集してきたシミだらけの本が溢れかえっている。実は、数年前に一度だけ、財務大臣からの強い圧力に堪えきれず、本棚一つ分の本を廃棄したことがあるが、今でも、そのことについては後悔することしきりだ。
そこにipadの襲来である。これなら、PDFデータに変換した電子書籍をまるで本のように、どこででも読むことが可能ではないか。はたして、ネットで「電子書籍 ipad Scan Snap」と検索すると、続々と、Scan Snap を使って電子書籍を制作している猛者達がヒットする。おまけに「i文庫HD」という電子書籍リーダーを使えば、PDFデータをまるで本をめくる感覚で扱うことが可能になる。ここまでくれば、もはや予感は確信に変わり、蔵書の全てをPDFに変換しなければという衝動を抑えることはできない。
1.裁断のコツは「裁断機 PK-513Lで本が「台形」にならずに裁断する方法」のページを参照。
2.「画質の選択(スキャン解像度)」は、漫画や雑誌はファイン。通常の活字主体の本はスーパーファインという結論になった。マゴナ研究室には漫画がほとんどなく、また挿絵の綺麗さにも頓着しないタイプなので、ファイル容量、文字のつぶれ具合等を総合的に勘案して、この結論となった。
3.「カラーモードの設定」は、雑誌や漫画はカラーで、活字主体の本は白黒2値で読み込む。ネット上には全てをカラー処理とするものが多数だが、マゴナ研究室の蔵書には古本が多く、シミを消す意味でも白黒設定がベターという結論に至った。また、ファイル容量を節約できるというのも大きな魅力である。
4.スキャンの読み取り方向は、横置きとすることで読み取り時間の短縮を図る。ただし、この場合は「原稿サイズ」を予め「カスタマイズ」する必要がある。「サイズ自動検出」を使うと、PDFを見開きページで閲覧した場合、左右のページサイズが微妙に異なってしまうので、多少面倒くさいが、書籍サイズを物差しで計測したうえで設定している。この時、実際の計測値より1~2mm小さく設定するのがコツである。
5.原稿をスキャナートレイにセットする前に絶対に忘れてならないのが、裁断後の本を扇開きにして、糊でつながっているページがないかを確認する作業だ。わずかな部分でも糊が残っているとジャムりが発生し、再読み取りなどで時間を大きくロスしてしまうので、この作業だけは疎かにしてはならない。
6.読み取りは通常の活字本の場合、3段階に分けて実施する。最初に本文部分を白黒で読み込む。このとき「読み取りモードのオプション」は「文字をくっきりします」「文字の傾きを自動的に補正します」にチェックを入れる。
7.続いて、表紙カバー、裏表カバーをカラーで読み込むが、このときの「読み取りモードのオプション」は「文字の傾きを自動的に補正します」のチックを外す。そうしないと、画像が妙に傾く症状が多発する。
8.最後に、アクロバットを使って、本文部分を全90°回転、偶数ページを180°回転し、天地をそろえる。続いて、表紙カバー、裏表紙カバーを本文の前後に挿入してできあがりである。
9.アクロバットでの編集作業、PK-513Lによる裁断作業は、Scan Snapが自動スキャンしている間に同時並行的に進めることが可能である。慣れてくれば、普通の単行本、新書本、文庫本であれば、概ね10分で1冊のPDF化が完了する。
【閑話休題】